税務調査シリーズ① ~ 税務調査再開のお知らせ
コロナ禍により4月から中止されていた税務調査が、10月から再開されるようです。
税務調査再開のお知らせ
9月23日の日経新聞朝刊に掲載された「国税、訪問税務調査再開へ」という記事で、
新型コロナウイルス感染拡大防止のため4月から中止していた新規の訪問税務調査を、
10月から再開(9月23日から納税者へ調査の可否を電話確認)することが報じられました。
国税庁の人事異動は7月であり、人事異動後の7月中旬あたりから徐々に新事務年度の体制による
税務調査の連絡が来るのが例年の流れとなるところ、今年はコロナの影響もあり、
ゼロとは言わないまでも、例年に比べるとほとんど新規の税務調査の連絡がなかった状況でしたが、
経済活動が段階的に戻っていく中で、新型コロナウイルスの感染拡大防止策を徹底した上で、
10月以降徐々に新規調査を進めていくようです。
コロナを理由に税務調査を断ることは可能?
あまり知られていないかもしれませんが、税務調査は調査官側の都合で半ば強制的に日程が確定するものではなく、
種々の理由により調査対応が困難である場合には、その実施時期について交渉する余地はあります。
私が過去に担当していた会社様の具体例として、事務所移転と時期が重なるなどの理由により、
実施時期を数か月遅らせてもらうといったケースは普通にありました。
また別の記事で詳述しますが、これは税務調査というものが基本的に納税者の同意に基づく
「任意調査」であることが前提とされていることがその背景にあるかと考えられます。
では、コロナ禍による影響で調査対応が難しいことを理由に調査時期を交渉出来るかという点ですが、
基本的に調査官としては納税者の個々の状況を勘案しつつ調査に着手するスタンスであるため、
調査時期の交渉、調整は十分可能ではないかと考えられます。
調査官側のコロナ防止策は大丈夫?
調査を受ける側からすると、調査に来るのは良かったとしても、
調査官側の感染対策は充分かという点が気になるところかと思います。
この点については、国税庁のウェブサイトに掲載されている
「国税庁における新型コロナウイルス感染症の感染防止策について(令和2年9月)」
というリーフレットで、調査・徴収実務等における感染防止策が掲載されています。
(日税連のウェブサイトにも、このリーフレットを紹介するお知らせが掲載されています(Link)。)
そもそも企業のテレワークなどが急速に拡大していく中で、税務調査がいつまでもオンサイト対応が
求められるのはどうなのか、という部分もあるかと思います。
この点については、今後は実地の調査だけでなく、電話等による“非対面”の簡易な接触や机上調査にも
力を入れていくことも想定されているようであり、テレワークなどをはじめとするコロナ禍による働き方の変化に伴い、
アフターコロナの税務調査のやり方及びその対応方法についても、今後注視、検討していく必要がありそうです。
※本記事は投稿日現在の法令等に基づき記載しております。なお、記事の内容に関するご質問等は受け付けておりませんのでご了承下さい。
【編集後記】
今月から主に税金関係のコラムを始めます。
少しでも皆様の業務、生活の方のお役に立てるよう、平日毎日更新を目標に続けていければと思います。