税務調査シリーズ③ ~国税局と税務署の違いなど

国税の組織については、詳細に把握しておく必要はありませんが、知っておくと良いこともあります。

調査担当は国税局?税務署?

税務調査の連絡は、所轄の税務署ではなく、国税局からくることもあります。

国税庁の組織は細かく分けると色々あるのですが、

その中で、税務調査の実行部隊を有する組織として、国税局と税務署があります。
(実際にはこれらの組織の中にも色々な部署があったりしますが)

税務署は、申告書や納付書などの書類が届いたり、

何かしら訪問したりする機会もあったりするので、

何となくなじみのある方も多いと思いますが、

国税局について、その実態を明確にイメージ出来る方は多くないのではないでしょうか。

ただ、国税庁のHPなどを見てもらえば分かる通り、国税局も形式上の組織ではなく、

実際に存在している組織です(当たり前ですが)。

普通に生活している分には訪問する機会は少ないかもですが、私は業務の関係で

東京国税局には、実際に何度もお伺いしました。

国税局と税務署で違いはあるか?

では国税局と税務署は何が異なるかというと、ざっくりと言ってしまえば、

税務署が、税務調査以外に申告書の受付や納税事務など、

税務に関する事務的な業務なども行っているのに対し、

国税局は、税務調査に特化した専門部隊のような組織だと

イメージしてもらえれば良いのかと思います。

じゃあ、税務署の調査より国税局の調査の方が厳しいのか、

と思われる方もいると思いますが、私の経験則から誤解を恐れずに言うと

はっきり言って一理あるのではないかという印象です。

決して税務署の調査が適当とかいうつもりはありませんし、

実際に大きな流れや手続きが著しく異なるということもありませんが、

税務署の調査の場合には指摘事項がゼロで終わることもありますが、

国税局の調査の場合には、そうは問屋が卸さず、

何かしらの爪痕は残していくことが多い気がします。

詳しくは分かりませんが、これはノルマや査定などに影響するといった

背景の違いがあるのかもしれません。

うちの会社の調査担当はどっち?

だとすると、税務調査の担当は誰もが税務署の方が良い、と思うはずです。

ただし、残念ながらこれは任意で選択出来るものではなく、会社規模などに基づき決定されます。

国税局が管轄する法人は、具体的には「調査課所管法人」と呼ばれ、

原則的には資本金が1億円以上の法人や外国法人などがこれに該当することとされています。

あくまで原則のため、資本金1億円以上の法人でも、税務署が調査等を担当する法人(税務署所管法人)も存在します。

調査課所管法人に該当する場合には、通常その旨のお知らせが届くはずです。

調査課所管法人から外れる場合も同様です。

(もしかしたら今はないのかもですが、少なくとも数年前まではちゃんとありました)

今まで税務調査を受けておらず、特に上記のような通知も受けていない場合には、

申告期日前に税務署から送付されてくる申告用紙の別表一(一)の上部「所管」欄の

数字の前に「*」が付されている場合には、調査課所管法人に該当するようですので、

(※根拠は必ずしも明確ではないのですが、私の関与した限りで基本的に例外はなかったと記憶してます)

気になる方はチェックしてみて下さい。

※本記事は投稿日現在の法令等に基づき記載しております。なお、記事の内容に関するご質問等は受け付けておりませんのでご了承下さい。


【編集後記】

来月に引越をすることになったのですが、不動産業界は情報がかなりクローズドな部分があり、それ故無駄な支出を余儀なくされるケースも多い印象です。今回は極力無駄なコストをカットすべく、結果はまた別の記事で報告出来ればと思います。